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　この度、第78回国立病院総合医学会において、経皮的感覚神経刺激法により声質が改善した脊髄小脳変性症の一例に関する発表でベスト口演を受賞できましたこと、大変光栄に存じます。この成果は、日々の研究と臨床の積み重ねが実を結んだものであり、非常に感慨深いものがあります。

　この研究を始めるきっかけとなったのは、孫に良い声で絵本を読み聞かせたいという患者様の熱い思いでした。脊髄小脳変性症は、声質が低下する特徴を持つ疾患です。患者様は、発声や呂律が困難になり、病状の進行と共にコミュニケーションに支障をきたすことが多くあります。

　しかしながら、患者様の熱い思いをくみ取り、御家族との時間を大切にし、孫との絆を深めて頂きたいと考え、音読時に声質の改善に取り組むことを目的に介入いたしました。この思いが、研究の原動力となり、今回の成果に繋がったと感じています。

　この研究を進めるにあたり、多くの医師やスタッフの皆様のご協力をいただきました。特に、日々の診療において貴重なデータを提供してくださった患者様には、心より感謝申し上げます。皆様のご理解とご協力がなければ、このような成果を得ることはできませんでした。

　今回の受賞を励みに、今後もさらなる研究と臨床の発展に努めてまいりたいと思います。今回の研究が一症例だけでなく、多くの患者様にも効果があるのかを検討し、引き続き努力を重ねていく所存です。